ちょっと事情があって現在、個人向けの融資を受けづらい状況です。自分の車を担保に50万円を借り、半年くらいで返済したいと思っています。「クルマで融資」という看板や広告をみますが、こうしたところで借りるのはアリなのでしょうか。仕事や日常生活で利用しながら、乗ったまま融資もあるというのは魅力ですが、この融資をやっているのが大手の金融機関でなく中小金融ばかりなので、心配です。
金利だけでなく、事前にさまざまな条件についての確認が必要です
カードローンやキャッシングなどは、あまりに身近で手軽になりすぎて、ついつい忘れてしまいがちなのですが、基本的には無担保ローンです。銀行などの個人向け融資もよほど高額になれば、保証人を求める場合もありますが、基本的には自動契約TMでスピーディに現金を借りられる小口の融資は無担保です。
一方、質問にある車融資ですが、これはしっかりと担保付きの融資です。消費者金融が誕生する前は、質屋がありました。自分の物を預けて現金を受け取り、後日そのお金と手数料を返せば品物が戻ってきます。支払えない場合は、質屋に所有権が移る「質流れ」です。
車融資は、この質屋システムに似ています。が、一定の金利が定まっていて、分割回数・支払額・期限などの契約を結ぶ、れっきとした担保付融資です。業者側からすると、担保ありの場合、貸し倒れのリスクが少なくなります。100万円貸して、支払不能になった場合、手元にある預かった自動車が150万円で売れれば、もとがとれます。単純に考えれば、相場が150万円の自動車を100万円で買ったというお得な話になりますね。
こうしたシステムのせいか、また貸金業と中古車販売業との中間に位置するあいまいな業態であるせいか、現在のところ、悪徳闇金業者が車融資を行っていることが多いという注意情報が多くみられます。トラブル例としては、融資を受けてすぐ一括返済しようとしても受け付けられず、結局後日高い金利での支払いを求められる、とか、金利とは別に保管代や、支払不能になった場合の名義変更手続き代も請求されるなどがあります。
いずれも、事前にすべての条件が提示されて、それを納得のうえで契約しているのなら、トラブルにはなりません。最初から車を安く手に入れようとしている業者の場合は、後で違う話が出てくるのでご注意を。
申込み時には、通常の融資と同じ審査がありますが、さらに車の査定があるのが通常です。優良企業で長く車融資を行っているところもありますが、基本的には支払が一定期間遅れると、すぐに所有権を押収させられてしまう契約と、名義変更の申請書類をそろえるということが、融資前にあるのが通例です。
もし、信頼できそうな会社がみつかって、車融資を受けるなら、事前にこうした事情や契約内容を調べるべきです。中古車販売店に買い取りしてもらう、くらいの気持ちで、とくに愛車にこだわりがなければ、担保付き融資として利用してみてください。
車を担保にお金を借りることができる?覚えておきたい注意事項とは
一般的な消費者金融では、あまり担保が必要というところは見かけないと思います。ところが、たまに「車を担保すれば即日融資可能」と謳っている金融業者を見ます。一見すると、車が担保になるなら大きな金額を借りられるだろう、とか、お金を返せば車は戻ってくるから大丈夫だろう、とか思ってこのような業者に頼ってしまうかもしれません。しかし、この車を担保にするキャッシングには大きな落とし穴が潜んでいる危険性があるのです。
最も注意するべきことは、その業者が所謂「闇金」であるという可能性です。普通なら有名な消費者金融や銀行でお金を借りれば問題ありません。しかし、このような金融業者に目を向けてしまう人というのは、一般的な金融機関ではお金が借りられなくなっている人であることが多いのです。闇金はそのような人を狙います。特に、車を所有するだけのお金はある、という人を狙ってこのような広告を出すのです。もしも、車種や車の傷などをほとんど見ずにお金を貸すようなそぶりを見せたら要注意です。闇金は、取れる分はいくらでも搾り取ろうとするもの。だから、別に車自体に価値があろうがなかろうがあまり関係ないのです。
さらに、車を担保にしたとは言え、車が大切なのには変わりありません。そのため、利用者は少しでも返済が遅れたら車が戻ってこなくなると焦ります。そして、自己破産ギリギリの状態になるまでお金を工面し続けます。そして最終的には車だけでなく、自分の人生全てを奪われることになります。これが、闇金の恐怖です。くれぐれも甘い話に飛びつかないようにしましょう。
どうしてもお金が必要というのであれば、車を売ってしまった方がずっと良いです。車がなくなるのは間違いありませんが、それは闇金だって同じこと。いいえ、闇金によって失うのは車だけでは済みません。それならば、きちんと中古車買い取りを行っている所で買い取ってもらった方がその後の自分を救うことができます。お金を貸すという行為自体、100%の善意で行っているわけではありません。ましてや、金融機関でブラックになるような人を信じてお金を貸すということを、あなたならしますか?しないと思います。しかし縋らせようとするのが闇金の手口です。性悪説とまでは言いませんが、魅力的な言葉は自分を騙そうとしているのではないか、程度には疑うようにしましょう。